費用弁償を復活させる条例改正案の撤回理由を読み上げる漆原悦子総務厚生常任委員長=上峰町議場

 佐賀県三養基郡上峰町議会(寺崎太彦議長、10人)は最終日の16日、町執行部との事前協議がなかったとして、1日2千円の議員への費用弁償を再開させる条例改正案を撤回した。議員が財政改善を再開理由にしていたことを巡り、町へのふるさと納税寄付者から苦情が殺到し、撤回に追い込まれた格好だ。

 提出者で総務厚生常任委員長の漆原悦子議員が本会議冒頭に登壇し、「費用弁償の改正を行うに当たっては、予算を伴うものであり、執行機関との調整が不足していた。チェック機関である議会として、このまま進めることはできないと判断し、撤回する」と理由を説明した。他議員からの異議は出ず、撤回が認められた。

 町には同日夕までに計100件を超える苦情があった。寺崎議長は取材に「ふるさと納税の寄付を財源に充てるという考えはなかったが、抗議の電話もかなりあり、私も対応した。重く受け止めている」と寄付者からの苦情も踏まえた撤回だったことを明かし、「今後の費用弁償復活は困難」との考えを示した。

 事前協議がなく議員提案されたことに抗議し、費用弁償への予算措置に否定的だった武広勇平町長は「(撤回は)議員の皆さんの賢明な判断。今回は協議の段階において手続きがなかったので、その点はしっかりしていただきたい」と注文した。費用弁償については「過去そうだったから復元するのでなく、報酬との兼ね合いを含めて細やかな議論が必要では」と苦言を呈した。

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