♪何度でも何度でも-。浅田真央選手がスケート靴の紐(ひも)を結びながら、人気グループ「ドリームズ・カム・トゥルー」の曲を口ずさむ。あるテレビコマーシャルが、今も心に焼き付いている。悲願の金メダルへ、ソチ五輪の前に流れていた◆少女時代の映像に重ねながら「何万回、跳んだかわからない」「最後に、最高のジャンプを、この冬に」とテロップ。この冬が現役最後のシーズンになる、そういう予感が確かにあった。銀盤の主役は、間違いなく彼女だった◆ソチ五輪は、こだわり続けたトリプルアクセルで転倒。絶望的な状況を立て直し、翌日のフリーは最高の演技を見せた。滑り終えた瞬間の涙はやりきった充実感と、及ばなかった無念さだったか。そして、世界選手権の金メダル。これで終幕と思われたが、彼女は現役続行を選んだ◆かつてのライバル金妍児(キムヨナ)選手も退いていたし、無理な選択だったのかもしれない。低迷が続き、時に痛々しくも見えた。が、「その時に選手生活を終えていたら、今も選手として復帰することを望んでいたかもしれません」◆ドリカムの「何度でも」の歌詞は<悔しくて苦しくて がんばってもどうしようもない時も きみを思い出すよ>と続く。何度でも立ち上がる姿に、私たちは声援を送り、そして勇気づけられた。真央ちゃん、ありがとう。(史)

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