■九電、「乾式」の技術検討中 / 国、最終処分場見通し立たず

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働を考える上で、使用済み核燃料の処理問題は避けて通れない。玄海原発が再稼働した場合、貯蔵プールは5年程度で満杯となる見込み。佐賀新聞社が3月に実施した佐賀、福岡、長崎3県の知事や関係自治体の首長アンケートでも、再稼働の賛否にかかわらず、今後の課題として懸念する声が相次いだ。

 資源エネルギー庁の資料によると、全国の17原発にたまっている使用済み核燃料は合計1万4830トン。全体の管理容量は2万730トンで、すでに7割を超えている。玄海原発は、管理容量1130トンのうち900トンが埋まり、8割に達している。貯蔵容量は残り3・8年分(定期検査期間を含めず)しかなく、問題は切迫している。

 国の核燃料サイクルは、使用済み核燃料を日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)に搬出し、燃料として再処理する計画。再処理工場は2018年度上期の完成予定。エネ庁は県民説明会で「審査も最終段階で、竣工に向けた工事も進んでいる」と強調した。だが、会場から計画の延期回数を問われて「23回」と答えると、失笑が漏れた。核燃料サイクルの一翼を担うと期待されていた高速増殖炉もんじゅ(福井県)も廃炉が決まり、サイクルの不透明さは増している。

 九電は当面の対策として、玄海3号機の使用済み核燃料貯蔵プールで、燃料を収納する「ラック」の間隔を狭めて貯蔵容量を約2倍に増やす「リラッキング」を申請している。ただ、福島第1原発事故を受けて審査は中断し、原子力規制委員会の田中俊一委員長は安全性の観点から否定的な見解を示している。

 規制委は貯蔵方法として「乾式貯蔵」の導入を電力会社に強く促している。放射線を遮る専用容器「キャスク」に入れ、水を使わずに空冷する方式。海外で実績があり、福島事故では海水をかぶっても被害がなかった。

 九電も乾式貯蔵の技術的な検討を進めているが、原子炉から取り出したばかりの燃料は高温のためすぐにキャスクに移すことはできない。必要な冷却期間について、九電の山元春義取締役は「15~20年」と説明しており、当面はプールと乾式を併用せざるを得ない。貯蔵が長期化し、そのまま処分場になるのではという懸念も根強い。

 使用済み核燃料を再処理する過程で出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場問題も進んでいない。核のごみは、ガラスと混ぜて固めた「ガラス固化体」にし、地下300メートルより深い地層の岩盤に埋める方針。

 国は、候補地として適性のある地域「科学的有望地」を昨年中に提示する予定だったが、一方的な押し付けと捉えられかねないとして先送りした。「スケジュールありきではなく、丁寧にプロセスを進めていく」(エネ庁)と説明するものの、見通しすら立っていないのが現状だ。=おわり

このエントリーをはてなブックマークに追加