テレビの人気ホームドラマ「渡る世間は鬼ばかり」の新作特別版が年内に放送されるそうだ。食事処「おかくら」を経営する岡倉大吉と5人の娘の物語で、1990年から21年にわたって10シリーズ放送され、大きな支持を集めた◆脚本はご存じ、橋田壽賀子さん。御年92歳で現役というから大したものだ。昨年出した本『渡る老後に鬼はなし』(朝日新書)には、橋田流「終活」の極意が詰まっている。気ままな1人暮らしだが、「何より体が資本」と週3日、ジムで1時間の運動を欠かさない◆一番大事なのは老いたことを自覚し、自分の身の丈を知ることだという。「この間までできたことがなぜできないの?」と考えることが最大の不幸のもと、とおっしゃる。「欲」からどう脱するかである。したいこととできることは違ってくる◆2016年の日本人の平均寿命は女性87・14歳、男性が80・98歳となったことが分かった。いずれも過去最高で世界2位。誰しも若い日に戻れるわけはない。ならば老いと上手にお付き合いするかと、知恵をしぼっての工夫で乗り切れるところもあろう◆<平均寿命迎えこれからまた一歩>。昨年、佐賀新聞読者文芸欄に載った田原せいけんさん(神埼市)の川柳である。いつまでか分からないのが老後。だからこそ、それぞれのスタイルがあっていい。(章)

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