5月初旬。大塚古墳の一本桜(奥)の周辺に広がるソバ畑では、白く小さな花が一面に咲いた=みやき町東尾(提供)

自慢の五割そばを紹介する、東尾蕎麦の会会長で区長の宮原善昭さん=みやき町の東尾公民館

 一本桜で有名なみやき町東尾の大塚古墳周辺の耕作放棄地を、地区住民がソバ畑としてよみがえらせた。荒れたミカン畑や竹やぶを切り倒し、約1年半かけて畑を耕した。26日には地区の公民館で初収穫した新ソバの試食会に約70人が訪れ、新たな地域の名物に舌鼓を打った。

 大塚古墳一帯はミカン畑や茶畑、キウイ栽培などに利用されていたが、高齢化や採算が合わないなどの理由で近年は荒れ地となっていた。

 しかし、春には桜を求めて多くの人が訪れる。区長で「東尾蕎麦(そば)の会」会長の宮原善昭さん(73)は、「人が集まる場所を荒れたままにはしておけなかった」と振り返る。

 地区住民の有志約20人が2014~15年にかけ、荒れ地を徐々に開墾。整備が終わった約10ヘクタールで育てる作物を検討した結果、やせた土地でも育ち、イノシシの被害も少ないソバが適していると判断した。

 インターネットや種の販売業者から情報を集め、試行錯誤を繰り返した。今年3月に初めて種をまき、6月に約800キロを収穫した。「ソバは8割ぐらい熟した時に収穫しないといけないが、その見極めが難しかった」と宮原さん。それでも、製麺を依頼した福岡県朝倉市の業者からは「上」の評価をもらい、「素人にしてはよくできたと思う」と笑う。

 袋詰めした乾麺約1800食分と製粉したそば粉は、今後町のふるさと納税の返礼品に出品したり、地域の催しの際に販売する。収益はさらなる耕作放棄地の開墾や耕作費用に充てるという。宮原さんは「荒れ地はいくらでもあるから、20ヘクタールぐらいまでは畑の面積を広げたい。ソバが東尾の新しい名物になれば」と意気込んでいる。

このエントリーをはてなブックマークに追加