厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会の小委員会は27日、2016年度の地域別最低賃金の改定について、全国平均の時給で24円引き上げるとの目安を盛り込んだ報告書を公表した。全国平均は822円となる。02年度に現在の時給で示す方式になって以降最大の上げ幅で、これまで最大だった15年度の18円を上回った。

 上げ幅の24円は前年度比3%の伸びに相当し、安倍晋三首相が早い段階から3%引き上げの意向を示したことを色濃く反映。菅義偉官房長官は同日の記者会見で「(企業が)最低賃金の引き上げをして力強い個人消費を喚起することが極めて重要だ」と強調し「大いに歓迎したい」と評価した。例年の徹夜協議にはならなかった。

 最低賃金は都道府県ごとに決められ、小委員会は経済規模などに応じたA-Dの4ランクについて、東京などのAは25円、静岡などのBは24円、岡山などのCは22円、佐賀、青森などのDは21円の上げ幅の目安を示した。AとDの上げ幅の差4円は、15年度の3円から拡大するが、目安通り改定されればDランクの時給600円台は全て解消されることになる。

 最低賃金は全ての働く人が企業から受け取る賃金の下限額。特にパートなど非正規で働く人には給与の底上げにつながるが、経営体力の弱い中小企業は人件費の大幅増となり、負担が大きい。小委員会は政府に対し、生産性向上への支援や大手との取引条件の改善への取り組みを強く求めた。

 中央審議会は28日に答申し、その後各地の審議会で協議し、10月から適用される見通しだ。

 政府は閣議決定した1億総活躍プランなどで「年率3%程度」の引き上げ目標を掲げる。【共同】

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