国が接種を呼び掛けた子宮頸(けい)がんワクチンが、全身の痛みやしびれといった副作用を引き起こしたとして、23都道府県に住む15~22歳の女性63人が27日、国と製薬企業2社に損害賠償を求め東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁に一斉提訴した。

 弁護団によると、この問題での提訴は初。内訳は東京28人、名古屋6人、大阪16人、福岡13人。1人当たり一律1500万円に、各自の症状に応じた賠償金を上乗せして請求する。弁護団には現在も被害相談が続いており、原告はさらに増える見通し。

 厚生労働省は2009年10月にワクチンを承認、同年12月に国内販売が始まった。10年11月に公費助成を開始、13年4月には小学6年~高校1年の女性への定期接種対象となり、339万人が接種を受けた。しかし健康被害を訴える女性が相次ぎ、厚労省には今年4月末までに2945人から副作用の報告があった。

 原告側は(1)接種後に症状が出ており、ワクチンと健康被害には因果関係が認められる(2)がん自体の予防効果は実証されていない-などと指摘。厚労省が安全性や有効性について必要な調査をせず承認したのは違法だと主張している。

 製薬企業のグラクソ・スミスクラインとMSDについては、欠陥のあるワクチンを製造した上、添付文書に危険性を十分記載しなかった責任があるとしている。

 東京地裁への提訴後に記者会見した千葉県の園田絵里菜さん(19)は「外出にも付き添いが必要で、19歳の女の子の生活ができていない。学校から詐病と言われたこともあった。裁判では私たちの苦しむ本当の姿を見てほしい」と訴えた。【共同】

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