引退会見の最後に、目に涙を浮かべてあいさつする浅田真央さん=12日午後、東京都内のホテル

 フィギュアスケートの女子で一握りの選手しか成功していないトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を武器に、2010年バンクーバー冬季五輪で銀メダルに輝いた浅田真央さん(26)=中京大=が12日、東京都内のホテルで引退記者会見を開き「体も気力も出し切った。何も悔いはない」と晴れやかな表情で述べた。

 浅田さんはスケートを「一言で言えば人生かな」と表現。昨年12月の全日本選手権で自己最低の12位に終わり「もういいんじゃないかなと思った」と明かした。ただ、来年の平昌(ピョンチャン)五輪を目指すと公言していただけに「目標をやり遂げないといけないと思って、言ったこととの葛藤がずっとあった」と話し、決断したのは2月だったという。今月1日までの世界選手権で日本女子の五輪出場枠が「2」に減ったことが決断に影響したとの見方は否定した。

 笑顔で質問に答えたが、最後のあいさつに立ち上がると目を潤ませた。報道陣に背を向けて目元を拭い、言葉に詰まりながら「スケート人生で経験したことを忘れずに、これから新たな目標を見つけて、笑顔で前に進んでいきたい」と述べた。

 最も印象に残る演技には「一つは難しいが、やっぱりソチ(五輪)のフリーかなと思う」と、ショートプログラム(SP)16位から巻き返して6位だった14年五輪を挙げた。

 世界選手権は日本人最多の3度優勝。ソチ五輪のシーズン後に心身の疲労を理由に休養し、1年のブランクを経て昨季復帰した。左膝の痛みなどに苦しみ、成績は振るわなかったが「もう一度チャレンジすることができてよかった」と語った。

 当面はプロスケーターとして活動し、「ザ・アイス」の大阪公演(7月29~31日・大阪市中央体育館)が引退後の初滑りとなる予定。「どんな形であっても、フィギュアスケートに恩返しができるような活動はしていきたい」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加