「英国のEU離脱よりも、チャイナショック(人民元急落)が再燃しないか注視すべき」と語る大西氏=鳥栖市のホテルビアントス

 鳥栖政経セミナー(佐賀新聞社主催)の7月例会が28日、鳥栖市のホテルビアントスであり、経済ジャーナリストの大西良雄氏(71)が「世界激変、どうなる日本の景気」と題して講演した。英国の欧州連合(EU)離脱の影響は一過性に過ぎないとして「むしろチャイナショック(人民元急落)の再燃に注意を払うべきだ」と警鐘を鳴らした。

 大西氏は「日本と英国の貿易関係は総額の1%程度にすぎず、英国のEU離脱による日本経済への影響は非常に小さい」と指摘した。投資家心理を示す「VIX恐怖指数」が英国のEU離脱決定後、比較的早い段階で正常化していることも触れ、「マーケット関係者があまり興味を持っていない証だ」と述べた。

 一方で、中国経済の先行きを懸念し「日本をはるかに上回る規模で、不良債権がたまっている。表面化こそしていないが、中期的には大停滞に入っていく」との見通しを示した。

 アベノミクスに対し「雇用が堅調なのは景気が良いからではなく、深刻な若年労働力人口の減少が背景にある。金融政策ではなく人口減対策を打たないと、労働力不足が景気の足を引っ張る懸念もある」と金融緩和一辺倒の政策を批判した。政府と日銀は打つ手がない状態と分析し、29日の日銀金融政策決定会合の結果が注目されるとした。

 大西氏は29日午前11時から唐津市の唐津シーサイドホテルで開く唐津政経懇話会でも講演する。

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