物質・材料研究機構のナノカーのイメージ(同機構提供)

 物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は11日、分子1個でできた大きさ2ナノメートル(ナノは10億分の1)の車「ナノカー」が金の表面を走る世界初の「ナノカーレース」に出場すると発表した。28~29日にフランスで開催され、全部で6チームが出場する。

 ナノカーは、原子を組み合わせた極小の機械。レースは、特殊な顕微鏡で金の上に置いたナノカーの様子を確認しながら、針でナノカーに電流を流し振動させて動かす。同機構のナノカーは、88個の原子を組み合わせて作った。はさみのような形で、両端がバタバタ動くことで前進する。

 コースは、金の表面にある曲がった溝で、全長100ナノメートル。この長さは、全長4メートルの乗用車なら200メートルの距離に相当する。制限時間は36時間で、早く走り抜けたチームが優勝となる。

 レースでは、ナノカーを針先で押すような操作はしてはいけないといったルールがある。

 ナノカーは将来、薬を体の特定の場所に運ぶ機械の開発などへ応用が期待されている。チームリーダーの中西和嘉主任研究員は「ナノカーが動くメカニズムを理解することで、分子を自在に操作できる技術につなげたい」と話している。

 分子機械は昨年のノーベル化学賞の対象となった。【共同】

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