■生卵の殻をむける器具も

 立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒い日が続いています。寒い日の定番メニューの一つにおでんがありますが、おでんの準備でゆで卵の殻をむいたことがある方はたくさんいらっしゃることでしょう。しかし、もし生卵の殻をむくとなると、どのように想像されるでしょうか。技術の進歩によって、中身を傷つけることなく生卵の殻だけ剥がすことができる切削器具が開発され、それが歯科治療で使われているという話をしたいと思います。

 かつて、歯の治療といえばドリルで削られ、痛くて、血が出て、腫れて…と怖いイメージがありました。針とかメスなどというと、とがったもので突き刺し、鋭い刃先で切られるような、ちょっと怖い感じがあって、治療に足が遠のく方もいらっしゃることでしょう。しかし、最近の歯科では、超音波を用いた器械が多くなり、先端がとがったり、刃先が鋭くなったりしているものではなく、かつての治療イメージとは違ってきています。

 例えば、歯を喪失した場合に行われるインプラント治療も、当初は骨に人工の釘を埋めこむなんて…と怖い印象がありました。しかし、今では幅広い年齢で受ける一般的な治療になってきています。このインプラント治療で時々登場するのが超音波の骨メスです。まるで生卵の殻だけをそっと剥がすように骨の治療を行いますので、患者さんは以前より楽に治療を受けることができるようになりました。

 また、受け口など顎骨の土台がずれている方には手術が行われますが、このときにも超音波のメスが活躍することがあります。骨だけを選択的に治療できるように設定してありますので、周囲の組織を傷つけることなく、危険性も格段に少なくなりました。歯科治療の現場では改善の幅は広がり、恐怖のハードルは低くなってきています。この寒さが和らいだら、重い腰をあげて歯科医院を受診していただければ幸いです。

(すみ矯正歯科・隅康二)

このエントリーをはてなブックマークに追加