穂のような花が絹状の毛に覆われているネコヤナギ

 いち早く春の訪れを告げてくれるネコヤナギ。日本各地の川辺に自生するヤナギ科の落葉樹で、葉が芽吹く前に花をつけます。枝いっぱいに銀白色の花を咲かせ穂のような花は絹状の毛に覆われています。ネコヤナギの和名はその滑らかな手触りが猫の毛のようであることに由来します。

 医学の父と呼ばれる古代ギリシャの医師ヒポクラテスは、ヤナギの樹皮や葉を熱や痛みを緩和するために用いたといわれ、ネコヤナギにも同じ効果を持つサリシンという成分が含まれています。サリシンを分解して得られる成分を合成して誕生したのが、解熱鎮痛剤としておなじみのアスピリンです。

 はるか昔からネコヤナギの枝ぶりや花穂の風情を非常に好んだという日本の人々。まだ寒さの残る早春の川のほとりで輝く銀色の花を見つけたらネコヤナギかもしれません。(中冨記念くすり博物館)

このエントリーをはてなブックマークに追加