■玄海原発、佐賀地裁13日可否決定

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働を巡り、佐賀など周辺住民ら約230人が差し止めを求めた仮処分で、佐賀地裁(立川毅裁判長)は13日、認めるかどうかの決定を出す。東京電力福島第1原発事故を受け、原発の安全対策を強化した新規制基準に基づく原発施設の耐震性などが争点になっている。今秋以降とされる再稼働の行方に影響するか、判断が注目される。

 仮処分の審理では、施設の耐震性や配管の安全性が主な争点になった。耐震設計の目安になる地震の揺れ「基準地震動」に関し、市民側は「過小評価され、現実に起こり得る地震への安全性が保障されない」と主張した。九電側は「最新の知見を反映し、信頼性の高い評価手法を基に地域的特性も配慮して策定している」と反論した。

 配管については、市民側は検査の方法や実施頻度が適切でないと捉え、経年劣化や地震の影響で破損し重大事故につながる恐れを指摘した。九電側は「計画的な配管の検査と対策で健全性を確保している」と説明し、仮に異常が生じても事故を防ぐ安全対策を講じているとした。

 新規制基準の合理性については、司法判断が分かれている。福井地裁は2014年5月、「地震対策に構造的欠陥がある」とし、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の再稼働を認めない判決を下した。高浜原発3、4号機(同県)に関する仮処分では、福井地裁が15年4月、大津地裁が16年3月に再稼働や運転を認めない決定を出した。

 一方、鹿児島地裁は15年4月に九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)、広島地裁は17年3月に四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の仮処分で基準を「合理的」などと判断した。高浜の二つの差し止め決定も、異議審や抗告審で「合理性がある」として覆されている。

 今回の仮処分は、原発の運転差し止めを求める訴訟を起こしている「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」(石丸初美代表)に加わる住民らが11年に申し立て、24回の審尋を経て今年1月に審理を終えた。

 玄海3、4号機は今年1月、原子力規制委員会による新規制基準の適合性審査に合格した。4月下旬までに山口祥義知事と岸本英雄玄海町長が再稼働に同意し地元手続きを完了した。工事計画や保安規定に関する規制委の審査が残っているが、認可されれば使用前検査を経て再稼働に至る。

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