政府、与党は28日、経済対策を大筋で取りまとめ、低所得者に1万5千円を給付する方針を固めた。対象は2200万人。対策全体の追加歳出は地方自治体分を含めて7兆円程度とし、うち2016年度第2次補正予算案への計上額は2兆円台後半で調整する。財源が不足するため借金(建設国債)を積み増して公共事業を行い「アベノミクス」を加速する。金融政策決定会合を29日まで2日間開く日銀と一体で経済の底上げを目指す。

 年度途中での国債増発は4年ぶり。民間支出や融資をかき集めて事業費を28兆円超に膨らませる苦肉の策となる。財政、金融政策とも限界論が指摘される中、効果に見合わない財政リスクが蓄積されるとの懸念が現実味を増してきた。

 政府は28日、自民、公明両党に対策案を示し、大筋で了承を得た。この日の提示には事業の規模や予算額を含んでいない。細部を詰めた上で8月2日に閣議決定し、9月召集の臨時国会に補正予算案を提出する。

 低所得者への現金給付は最低賃金引き上げなどと合わせて家計を支え、消費を底上げするのが狙い。消費税増税の負担軽減策として16年度末までの予定で年6千円を給付した「簡素な給付措置」を引き継ぐ。消費税率10%への増税を2年半延期するのに伴い、2年半分に当たる1万5千円を一括給付する形に改めて消費を喚起する。現行制度と同様、住民税非課税の人を対象とする方針だ。

 政府は給付額を1万円に抑えることも検討したが、現行水準を下回ることに公明党が反発、1万5千円で決着した。

 対策案では1億総活躍社会の実現を目指し、保育士や介護人材の処遇を改善。労使が負担する雇用保険料も軽減する。無年金者救済策として、年金受給資格を得られる加入期間を現行の25年から10年へと短縮する。

 防災対策などの公共事業を行うほか、財政投融資を活用してリニア中央新幹線の大阪延伸を最大8年前倒しし、整備新幹線の建設を加速する。

 日銀は金融政策決定会合で追加金融緩和の是非を検討し、29日に決定内容を公表する。政府、与党内には経済対策との相乗効果を求め、追加緩和を期待する声がある。【共同】

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