佐賀県内の外国人労働者、雇用事業所数

 佐賀県内の企業などで働く外国人労働者のうち、2015、16年の2年間に少なくとも43人が失踪していたことが、佐賀県警などへの取材で分かった。中国やベトナムから来日した技能実習生らで、より高い収入を求めて実習先企業からいなくなり、別の場所で働いたり、犯罪に巻き込まれたりするケースも出ている。

 失踪者数は雇用主らから県警に届け出があった分だけで、届けていないケースや、それ以前の事例も含めれば実数はさらに膨らむとみられる。

 失踪の届け出があった外国人労働者は15年が14人、16年は29人。ベトナム人や中国人らで、具体的な内訳や在留資格、別の国籍の失踪者がいるかどうかは「不明」としている。

 佐賀労働局によると、県内の外国人労働者数は昨年10月末で4003人。製造業を中心に597社で働いており、労働者数、事業所数ともに過去最高になった。外国人技能実習生は1659人で4割を占め、アルバイトの留学生も1382人に上る。

 技能実習生を傘下の企業に派遣しているのが、協同組合などの管理団体。厚生労働省によると、県内に16団体あり、千人以上の派遣実績がある管理団体では昨年までに中国人十数人が失踪したという。担当者は「これまでに見つかったのは2人。残りは今も行方が分からない」と明かす。

 このうち昨年失踪した女性は、数カ月後に茨城県内で警察が発見した。仕事を仲介した中国人にパスポートや預金通帳を盗まれていたという。4年前に実習先から姿を消し、2カ月後に戻ってきたという別の女性は在日中国人から会員制交流サイト(SNS)で仕事を紹介され、愛知県の工場で働いていた。

 佐賀労働基準監督署が実習先企業を対象に一昨年実施した立ち入り調査では、労使で定めた残業時間を上回る長時間労働などの不法行為が22社で見つかった。実習生に対する不正も少なくとも4件起きているが、「失踪との因果関係は分からない」としている。

 法務省によると、15年に国内で強制退去処分となった外国人は1万2272人。うち約8千人が農業や建設現場などで不法就労していた。就労場所は茨城県が最も多く、県内は1件もなかった。

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