個人の自己破産申し立て件数

 全国の裁判所に対する個人の自己破産申し立てが2016年は前年比781件増の6万4637件となり、13年ぶりに前年を上回ったことが10日、最高裁の速報値で分かった。貸金業者への規制強化によって、ピークだった03年の3割未満まで減ったが、最近は銀行が個人向けカードローン事業を強化しており「こうした動きが自己破産の増加につながっている」(専門家)と指摘する声もある。

 最高裁の司法統計によると、個人の自己破産の申し立ては03年が24万2357件。その後は年々減少し、15年は6万3856件となった。

 自己破産が減少を続けてきたのは、多重債務者の増加が社会問題となり、貸金業者への規制が強まったことが背景にある。06年に改正貸金業法が成立し、原則として利用者の年収の3分の1までしか融資できない「総量規制」が導入された。

 ただ、この規制がかかるのは貸金業者だけ。銀行は対象外で、年収の3分の1を超えて融資するケースもある。多くの銀行が個人向け取引に力を入れており、16年末のカードローン残高は5兆4377億円と18年ぶりの高水準に達した。

 銀行各社は広告で使い勝手の良さをアピールするが、利用者は高ければ年十数%の金利を取られる。専門家にはカードローンの利用で借金が膨らんだ人からの相談が増えているという。

 司法書士の秋山淳氏は「かつて『サラ金三悪』の一つに数えられた過剰融資が復活している。行政などは早めに手を打つ必要がある」と警鐘を鳴らしている。【共同】

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