この3月の話だが、シンガー・ソングライター、山下達郎さんのライブを初めて佐賀市で体験した。同じ世代とおぼしき聴衆は、ひととき、シティー・ポップの世界に引き込まれた◆初期の「シュガーベイブ」時代の懐かしい曲や、定番の「クリスマス・イブ」「ライド・オン・タイム」はファンの心をわしづかみに。オールディーズのカバーにもセンスが光る。「一度歌ってみたかった」と伸びのある声で披露したフランキー・ヴァリの「君の瞳に恋してる」は圧巻だった◆63歳である。3時間を超えるライブをツアーでこなしていく体力は常人とは一線を画している。アンチエイジング(抗老化)という言葉がはやりだが、誰だって達郎さんのように若々しく人生を歩みたい◆慶応大は、高齢化で増える病気の予防に役立てようと、症状を抑える物質で、マウスに効果がみられたものを人間に投与する臨床研究を始めたという。体内にもともとある老化抑制物質を使い、血糖値が上がらないようにするなど臓器の衰えを防ぐ効果が期待できるそうだ◆夢の物質、ワクワクドキドキからもらう元気-。若さももちろんいい。なるほど、年を重ねることは厄介である。が、何かを手に入れることもできる。失敗から学んだ思考、多くの友、生きる知恵…。若いころにはなかった、人生の糧がある。(章)

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