JA岡山パクチー部会長の秋山佳範さんが栽培するパクチー=5月、岡山市

■特産品づくり、流通と連携

 パクチーなど東南アジアで親しまれる野菜やハーブの栽培が、日本各地で広がりつつある。エスニック料理の人気を追い風に、農家は新たな特産品づくりを狙う。本場の味を望む消費者の声に応えようと、生産者と手を組んで新鮮な国産品を届ける流通業者の動きも活発になってきた。

 「甘くて食べやすい『岡パク』の認知度を上げたい」。JA岡山(岡山市)のパクチー部会長を務める秋山佳範さん(34)が力を込める。名産の黄ニラの生育が連作で悪くなるのを防ぎ、収益も高めようと、17年前にパクチー栽培が始まった。現在は若手を中心とする部会の農家12軒が自家採取の種から育てる。

 昨年度は東京の市場などに27トンを出荷した。地元の企業、飲食店とドレッシングやカクテルを開発し「岡パク」のブランド化を推進中だ。

 パクチー料理は、食の調査研究を行うぐるなび総研(東京)が「2016年 今年の一皿」に選ぶ人気ぶりで、千葉県の電気工事会社、大木無線電気のグループ会社も昨年、市原市で栽培を開始。バジルなど品目を増やすことも検討している。

 武雄市では07年からハーブのレモングラスを栽培してきた。中山間地に目立つ耕作放棄の田んぼで特産品を作ろうと、市職員が本場タイで技術を習得。現在は農業法人などが約2・5ヘクタールで育て、通信販売のほか東京の百貨店にも出す。

 沖縄・宮古島産のパパイアや愛知の空心菜(くうしんさい)、神奈川のパクチー…。食品輸入販売会社アライドコーポレーション(横浜市)は4月、国産の野菜やハーブを仕入れ、飲食店に卸す事業に参入した。

 同社によると、葉物は鮮度が欠かせない上に検疫が厳しく、輸入が難しい。新鮮さを求める店側の要望を受け、国内農家を訪ね回って仕入れ先を確保し、5種類の国産農産物をタイ料理店などに届ける。複数産地との契約で供給を絶やさない態勢も整えており、担当者は「日本のエスニック料理の需要拡大につなげたい」と話した。【共同】

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