シンポでは、和解協議や訴訟の結果を待たず、沿岸4県で有明海再生の議論に入ることが提言された=佐賀市のほほえみ館

 国営諫早湾干拓事業の開門調査を巡る訴訟で和解協議が続く中、有明海の再生を考えるシンポジウムが11日、佐賀市のほほえみ館で開かれた。県有明海漁協の田上卓治専務理事ら6人が登壇し、和解協議や訴訟の結果を待つことなく、沿岸4県で具体的な再生策の議論に入るよう提言した。

 田上専務は、タイラギが5年連続休漁となり、色落ち被害でノリが平年の半分ほどの生産量で推移している窮状に触れ、「有明海の生産力を少しでも戻してほしい」と訴えた。

 再生の糸口すら見いだせず、時間ばかりが経過している現状を踏まえ、沿岸4県の関係者が利害に関係なく集まり、環境改善や漁業・地域振興策を考える新たな枠組みを作る案も示された。小松利光・九州大学名誉教授は「官僚は無難な道を選びがちで、国に多大な期待をしないほうがいい。海の現実を知る自治体と地域住民が手を結び、幅広い知見で全体の利益を考えていこう」と呼び掛けた。

 植木光治・元大川市長は、二枚貝の死因とされる貧酸素水塊の早期発見と解決に漁業者自らが取り組む事業を提案し、「海の体力を回復させ、収入と誇り、将来性を取り戻して漁業を継ぐ若者を増やすことが地方行政の役割」と語った。

 シンポはNPO有明海再生機構が主催し、約80人が聴講した。

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