「これからの部落問題」と題して話す角岡伸彦さん=佐賀市文化会館

 8月の「同和問題啓発強調月間」に合わせた講演会が2日、佐賀市文化会館で開かれた。元新聞記者でフリーライターの角岡伸彦さん(53)=大阪府=が、部落問題について誤った言説に惑わされず、正しい知識を身に付ける重要性を訴えた。

 角岡さんは被差別部落を巡る歴史を説明。1871年の「賤民廃止令」から150年近くたっていることを挙げ、「『どこ』『誰』を気にする人はいまだにいる。差別は自然にはなくならない」と述べた。

 インターネットの発達によって、差別が助長されやすい社会になっていることを指摘。「部落に関する情報が一度ネットに出ると、保存や拡散されて回収することはできない。情報が耳に入ったとしても、差別をしない人権意識や関心の持ち方が大切」と強調した。

 自身も被差別部落の出身者であることに触れた角岡さん。被差別部落で生まれ育っていない親類など「次世代」について語り、「『関係ない』と思えるようになるのはいいことかもしれないが、ともすれば差別する側に回わらないか。部落問題に限らず、障害者や在日コリアンなど『どこかで関係している』と意識しておくことが非常に大事」と語った。

 講演会は約700人が参加した。

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