北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けた共同訓練で、九州周辺空域を飛行する米軍のB1戦略爆撃機(上の2機)、航空自衛隊のF15戦闘機(中央の2機)、米海兵隊のF35ステルス戦闘機(下の2機)=31日(航空自衛隊提供)

 北朝鮮による日本上空を通過する弾道ミサイル発射を受け、航空自衛隊のF15戦闘機と米空軍のB1戦略爆撃機などが31日、共同訓練を実施した。日米は「目に見える形」で北朝鮮に圧力を強める方針を確認しており、それを受けた対抗措置の一環。米軍機はその後、朝鮮半島上空で韓国軍とも共同訓練をした。

 日米韓の同様の訓練は弾道ミサイル発射後に何度も行われているが、自制に結びついているとは言えない。北朝鮮が強く反発していた米韓定例合同指揮所演習は同日、終了したが、9月9日の建国記念日を控え、北朝鮮が引き続き弾道ミサイル発射や核実験など、さらなる挑発を行う可能性があるとみて、日米韓が警戒している。

 空自によると、訓練には2機のF15と米軍の2機のB1に加え、米海兵隊のF35最新鋭ステルス戦闘機4機が初めて参加。九州周辺空域で編隊や通信を確認しながら飛行した。韓国空軍によると、米軍機はその後、朝鮮半島上空に展開。4機の韓国軍のF15と共に北東部江原道(カンウォンド)の訓練場で、北朝鮮の重要施設の破壊を想定した攻撃訓練を行った。朝鮮半島上空への米軍のB1、F35の同時展開も初めてとなる。

 8月29日の新型中距離弾道ミサイル「火星12」の発射後、安倍晋三首相はトランプ米大統領と2日連続で電話会談し、圧力強化によって政策を変えさせなければならないとの認識で一致。31日には小野寺五典防衛相とマティス米国防長官も電話会談し、「目に見える形」で圧力をさらに強める方針を確認していた。

 防衛省の河野克俊統合幕僚長は31日の定例記者会見で「北朝鮮問題は日米もさることながら日米韓の連携が必要だと考えている。常日頃から情報共有していきたい」と述べた。米韓演習は「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」で、21日から行われてきたが、北朝鮮は期間中の29日に弾道ミサイルを発射するなど反発していた。【共同】

 ■B1戦略爆撃機 米軍が運用する超音速の爆撃機で、長距離、低空飛行が可能。1980年代半ばに運用が始まり、2015年12月時点で62機が現役。当初は核兵器を搭載したが、90年代に米軍の核の運用計画から外された。米軍は北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射の対抗策として、グアムのアンダーセン空軍基地から朝鮮半島に度々展開させている。過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦にも使われた。

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