東京の事業所から研究開発部門が移る昭栄化学工業の鳥栖事業所=鳥栖市藤木町

 電子部品の電極材料を製造・販売する昭栄化学工業(本社・東京都、浅田修一郎社長)は、東京都青梅市の研究開発部門を鳥栖事業所(鳥栖市藤木町)に移転する。本社機能を大都市から地方に移す場合、法人税が軽減される国の「地方拠点強化税制」を活用した県内初の事例となる。

 鳥栖事業所には現在、管理、製造、営業、技術開発の4部門があり、従業員数は約380人。青梅事業所では「機能性超微粒子」の研究開発を行っており、将来の量産化や効率化を見据え、来年1月に製造拠点のある鳥栖に統合する。

 研究開発部門の移転に伴って10人を配置転換する。新規の地元雇用は当初2人、3年後8人、5年後12人を予定している。2016年3月期の売上高は388億6800万円。

 地方拠点強化税制は、地方に移す本社機能を「調査・企画」「情報処理」「研究開発」「国際事業」「その他管理業務」のいずれかの部門と位置付けている。移転先となる県知事の認定を受けた事業所に対し、設備投資費などの一定割合を法人税から差し引く優遇措置を講じている。

 この制度を活用する条件として、県は特定の区域内への本社機能の整備や従業員が10人以上増加することなどを設けている。同社は立地や雇用などの条件も満たしており、5月26日に県が初めて認定した。

 県は「本社機能」を誘致するため、移転に伴う配置転換費用や本社への出張費を支援するなどの独自策を昨年度に創設、20年度末までに認定16件、240人の雇用創出を目指す。県企業立地課は「念願の第1号。今回の事例も紹介しながら他の企業にも続いてもらえるように働き掛けていきたい」と話している。

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