大野岳で撮影されたタイワンツバメシジミ(江藤俊章氏撮影)

「タイワンツバメシジミ繁殖地」が市指定天然記念物となったことを受け、許可なく捕獲した場合に処罰される旨の立て看板を立てる保存会=伊万里市南波多町の大野岳山頂付近

■タイワンツバメシジミ繁殖地

 伊万里市南波多町の大野岳(標高424メートル)で生息する希少種のチョウ「タイワンツバメシジミ」の繁殖地が、1日付で市指定天然記念物となった。2014年に地元住民で保存会を立ち上げて生息可能な環境維持や捕獲に訪れる人の監視といった活動を展開し、「異例のスピード認定」(市教委)となった。今後は許可のない捕獲に対して、市文化財保護条例に基づき罰則が科せられる。

 タイワンツバメシジミは体長1・5センチ程度の小型のチョウで、姿形の美しさから愛好家の間でも人気が高い。だが、幼虫はマメ科の植物「シバハギ」だけを食料とするため、背丈の高い雑草が生い茂らないよう定期的に人の手で草刈りが行われる草原でしか生きることができない。乱獲の影響もあり、環境省のレッドリストでは「近い将来野生での絶滅の危険が高い」とされている。

 個体が確認されるようになったのをきっかけに発足した大野岳タイワンツバメシジミ保存会が、南波多町まちづくり推進協議会とも連携して草刈りやシバハギの育苗・植栽、チョウが舞う8月下旬から9月にかけて交代でパトロールをしてきた。

 天然記念物指定を受けて3日、保存会の会員が山頂付近で市の天然記念物の繁殖地であることを伝える立て看板を設置。松本輝彦会長(80)は「素早い市の指定に感謝したい。地域で多様な生態系を守って子々孫々に伝えていきたい」と話した。

 市天然記念物の指定に伴い、これまで罰則規定がなかった捕獲について、1年以下の懲役もしくは禁錮または20万円以下の罰金もしくは科料に処せられることになる。

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