米軍普天間飛行場に駐機する新型輸送機オスプレイ=7日午後、沖縄県宜野湾市

オーストラリア東岸沖での米軍オスプレイ事故に関して原因究明と情報開示などを求めた佐賀県の申し入れ書を受け取る九州防衛局の岩田和昭企画部長(左)=佐賀県庁

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)で7日午前10時40分ごろ、新型輸送機オスプレイ1機が離陸したことが確認された。日本政府関係者が明らかにした。政府は6日、オーストラリア東部沖での墜落事故を受け、国内の飛行自粛を要請したばかりだった。政府関係者は、要請は事実上拒否されたとの考えを示した。

 沖縄県の翁長雄志(おながたけし)知事は7日、県庁で記者団に「(事故は)起こるべくして起きた。とんでもない飛行機で、原因究明も全く当てにならない」と強く批判。その上で「日本政府が当事者能力を持って(米側に)何も言えないというのが、今のような状況につながっている」と述べ、政府への不信感を示した。

 防衛省で7日、小野寺五典防衛相と会談したシュローティ在日米軍副司令官は「安全性を確認した上で、運用上必要だと判断した」と説明した。

 小野寺氏は会談で「飛行の自粛を求める考えには変わりがない。安全面に最大限、配慮するよう求める」と懸念を伝えた。小野寺氏が記者団に明らかにした。

 北海道で10日から始まる陸上自衛隊と米海兵隊との共同訓練にオスプレイの参加を認めるかどうかに関しては「事故原因を詳細に詰めている。結果を受けて、米側と協議する」と述べた。

 沖縄県内では昨年12月、名護市の浅瀬に普天間飛行場所属のオスプレイが不時着し、大破。同じ日に別のオスプレイが同飛行場で胴体着陸する事故を起こした。米側は一時的に飛行を停止したが、事故の6日後に再開。県の反対にもかかわらず、政府は「合理性が認められる」(当時の稲田朋美防衛相)として容認した。【共同】

■県、情報開示申し入れ九州防衛局に

 オーストラリア沖での在沖縄米軍オスプレイ事故を受けて、佐賀県は7日、事故原因の究明と情報開示の徹底を求める申し入れ書を九州防衛局長宛てに提出した。昨年12月の沖縄県名護沖の米軍機大破に続く事故に「県民の不安を増大させる」と懸念を示した。

 同日、記者団に対応した山口祥義知事は、防衛省による飛行自粛要請に関し「(米軍は)それに沿った対応をしていただきたい」と注文、オスプレイの安全性の評価が変わる可能性を問われると「今回の事故の説明を受けた上で改めて考える」と答えた。

 申し入れ書では、沖縄の事故から1年もたたないうちに大きな事故が発生したことに「県として厳しく受け止めざるを得ない」と指摘。その上で、徹底した原因究明と情報開示、事故に関する調査結果について県民への説明責任を果たすよう要請した。

 県庁で文書を受け取った九州防衛局の岩田和昭企画部長は「海外で起きたことなので詳細な情報をつかみ切れていない」と説明した。県の落合裕二政策部長は、沖縄の事故に関して防衛省の説明を踏まえて論点整理素案で「不合理な点はない」とまとめたことを挙げて「1年もたたずにこんな事故が起きて非常に心配している。判明したことは随時知らせてほしい」と申し入れた。

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