新たな担い手の受け皿づくりについて意見を出し合ったパネルディスカッション=小城市三日月町のドゥイング三日月

■課題共有、受け皿づくり議論

 高齢化などで農家の減少が続く中、担い手の確保、育成の必要性が叫ばれている。近年は人手不足の影響などで新規就農者数も頭打ちとなっており、佐賀県は31日、農家や支援機関を交えた研修大会を初めて開催。農業経営の課題を掘り下げながら、必要なサポート、生産基盤強化の方策を探った。

 県が設定する新規就農者数の目標は、過去10年間のピーク時に匹敵する年間180人。だが、ここ3年は大きく減少し、2017年(16年6月~17年5月末)は103人まで落ち込んでいる。

 慢性的な人手不足で他産業との人材争奪が激化していることも背景にあるが、農業士やJA、行政関係者も登壇した大会では、新規就農の課題も挙がった。

 新規就農者にキュウリ栽培を指導する武雄市の山口仁司さんは「他産業から来る人が農業を始めるには土地の問題がある」と問題提起。福岡県北九州市出身で、太良町のアスパラ農家として就農5年目の安東浩太郎さんは「いい農地は今までの農家が持っていて、なかなか借りられない。家探しにも苦労した」と振り返った。

 全国の移住希望者を佐賀に取り込むための情報発信の難しさや、技術指導だけでなく生活全般をサポートする受け皿づくりの必要性を指摘する声もあった。

 県は担い手の確保・育成を「農政の一丁目一番地」と位置づけ、JAなどと連携して新規就農者を育成するトレーニングファーム事業を本年度から開始。さらに各地で就農啓発セミナーを開くなど対策に力を入れている。

 研修大会で講演した徳島県職員の清水昇さんは、特産のキュウリ栽培を核にした地方創生「きゅうりタウン構想」の取り組みを紹介しながら、自治体や団体のトップと危機感を共有することが大事と訴えた。

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