諫早湾潮受け堤防の閉め切りから20年を迎え、開門を訴えてビラを配る市民=14日午前、長崎市

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)で、諫早湾の潮受け堤防が閉め切られてから丸20年を迎えた14日、佐賀県有明海漁業協同組合の徳永重昭組合長は記者団の取材に応じ、「われわれの願いは有明海をいかに再生させるか。そのために開門が必要という気持ちは変わっていない」と述べた。

 徳永組合長は、この20年を「一時は開門できるかと期待を持ったり、逆に期待を裏切られて振り回されたりした」と振り返った。開門を巡って司法判断が分かれる異例の事態には「最近は裁判だけがクローズアップされ、有明海再生という根本的なことが陰に隠れた気がする」と危惧した。

 17日には、開門の差し止めを求めた訴訟の判決が長崎地裁で言い渡される。徳永組合長は「開門しないでいいという判決が出ると、うわさで聞いている。そうなったら、国には控訴するよう言いたい」と語った。

 山口祥義知事は「有明海再生への道筋は明らかになっていない一方、水産資源の回復は一刻の猶予もない。時間だけが経過していくのは非常に残念で、20年間の漁業者の気持ちを考えると大変心が痛む」などとするコメントを出した。

 また、有明海再生を願う市民ら約10人が長崎市でビラを配り、開門実現を訴えた。本田純一さん(65)は「漁業者は営農者と好んで対立しているわけではない。国の責任で解決してほしい」と話した。【共同】

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