ブーカス号に乗り込んで本を選ぶ富士小の児童=佐賀市富士町の富士小学校

佐賀市立図書館が所有し、今年で運行20周年を迎える自動車図書館「ブーカス号」

 佐賀市立図書館の自動車図書館「ブーカス号」が今年、導入から20周年を迎えた。佐賀市内で近くに図書館がない地域を走り、本館にまで足を運べないお年寄りや子どもたちへ本を届けている。

 ブーカス号は、市立図書館が開館した1996年に導入。3・5トンのトラックを改造しており、約4千冊を運ぶことができる。月に10日間、富士町と川副町の児童館・公民館、小学校などを中心に12カ所を巡回している。

 市立図書館の担当者は導入の背景を「読書の機会を増やすのはもちろん、新設した市立図書館周知の役割もあった」と推測する。その後の市町村合併で佐賀市の面積が広がると、図書館から遠い地域へ本を届けるという役割も加わった。

 市が各地域に6分館6分室を整備したことや活字離れなどの影響もあって、ブーカス号の利用者は徐々に減少。2011年度に1492人だった利用者は、15年度に780人と半数近くにまで減った。

 それでもブーカス号の巡回を心待ちにする人たちはいる。富士小5年の納富健さん(11)は「学校の図書室にはない図鑑とか工作の本がある」と笑う。10年間ほぼ欠かさず利用する立石直美さん(84)=佐賀市富士町=も「市立図書館まで行かなくて済むのでとても助かる。借りた本を読み終えると次の巡回日が待ち遠しい」と話した。

 担当者は「利用者の声を聞きながら、地域に寄り添いながら本を運んでいく」と20年変わらぬ姿勢を改めて強調した。

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