観光庁は、2020年に外国人旅行者を4千万人に増やすための新たな財源確保策に関する有識者会議を月内にも設置し、具体策の検討を本格化させる。旅行者から徴収する「出国税」など海外の事例も参考にするが、観光業界には旅行者の負担増となることに慎重意見も多く、実現への壁は大きい。

 訪日客は16年に2400万人を記録するなど順調に伸びているが、4千万人の目標達成にはハイペースで増やしていく必要がある。観光庁は各国から訪れる旅行者の好みに合わせた誘致策などに取り組む方針で、独自財源で対応する必要があると判断した。

 海外の事例では、オーストラリアの出国税は航空機や船で出国する旅行者に60豪ドル(約5千円)を課税。韓国の出国納付金も航空機と船の出国者が対象で、航空機の場合は1万ウォン(約千円)を徴収。いずれも観光振興の財源として活用している。

 昨年1年間の訪日客と日本人の出国者計約4千万人から1人千円の出国税を徴収すれば、約400億円の税収が確保できる計算だ。観光庁の17年度予算約210億円の約2倍に相当する。

 米国の電子渡航認証制度は、ビザ免除国の渡航者から入国前に14ドル(約1500円)の申請手数料を徴収。カナダなどにも同様の仕組みがあり、欧州連合(EU)の加盟国なども導入する方針。

 有識者会議は、観光や航空などの業界関係者や税制の専門家らで構成し、新規財源の徴収方法や徴収額など制度の詳細を議論する見通し。

 観光庁は年末に決まる18年度税制改正大綱への反映を目指すが、観光業界などは「訪日観光に冷や水を浴びせることにつながりかねない」(大手旅行会社関係者)と警戒を強めている。残された時間も少ない中、調整は難航しそうだ。【共同】

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