Q.民法が改正されて成年年齢が20歳から18歳に引き下げられると18・19歳の人に消費者被害が拡大するおそれがあると聞きました。ところで未成年だったら、未成年取消権を使えば後でなんでも取り消せるのですか?

A.未成年取消権は、判断能力が未熟な未成年を取引社会で保護するための制度です。このため、未成年者が親の同意を得て契約した場合は取り消すことができません。また、お小遣いで物を買ったときのように親が事前に許した範囲で財産を処分した場合も取り消すことはできません。

 未成年取消権を行使して契約を取り消すことができる場合でも、受け取った物は現に利益を受けた限度で返さなくてはいけません。現に利益を受けた限度というのは、受け取った物がお金である場合では、手元に残っているお金はもちろん、そのお金を生活費や借金の返済に使って出費を免れた分も返さなくてはいけません。

 しかし、無駄に浪費してしまった場合は現時点で利益は残っていないとされ、お金はもう返さなくてもいいということになっています。未成年者取消権のこのような面が、未成年者の消費者被害の抑止力にもなっています。

 そう聞くと、未成年のうちにお金を借りてぱーっと散財したほうが得かもしれないと思う向きもあるかもしれませんが、未成年者が積極的に相手をだまして成人と誤信させて契約した場合は、取り消すことはできません。

 また悪質な場合は、契約責任とは別に相手から不法行為責任も追及され、損害賠償を請求されるおそれがあります。未成年であっても、12歳前後から不法行為の責任能力は認められるからです。

 未成年取消権は、判断能力が未熟な未成年を取引社会で保護するための制度です。後でなんでも取り消せるというわけではありません。(佐賀市 弁護士・酒井宏)

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