「運転経歴証明書」の見本を示しながら、自主返納者のいまりんバス無料化を説明する塚部芳和市長(左)。右は鶴直人伊万里署長=伊万里市役所

 高齢者の交通事故を抑止しようと、伊万里市は4月から、運転免許証を自主返納した市民に対し、市の運営するコミュニティーバス「いまりんバス」の運賃を1年間無料化する。塚部芳和市長は「自主返納を促すきっかけづくりになれば」と話す。西松浦郡有田町や神埼郡吉野ケ里町など公共交通機関の割引措置を行っている自治体はあるが、無料化は県内初。

 伊万里市在住で、運転免許証を自主返納し、4月1日以後に「運転経歴証明書」の交付を受けた人が対象。年齢制限は設けない。証明書を運転手に提示すると交付日からの1年間、運賃が無料になる。

 加齢に伴う身体機能の低下で運転に不安があっても、日常生活に車がないと不便なため免許の返納をためらう人も多いとみられる。塚部市長は「(無料化で)まずバスを利用し、それなりの利便性を感じてもらいたい」と期待する。

 いまりんバスは市街地線と地域線、郊外線で計9路線あり、市が西肥自動車(本社・佐世保市)に委託し運行。運賃は1回100円(中学生以上)。2015年度の乗客数は年間6万3101人で、高齢者の利用が多いという。

 免許を持たない有料利用者も考慮し、期間を1年とした。市は「次年度以降は自主返納促進の効果や有料利用者とのバランスを見て検討したい」としている。市内には市の補助金で地域団体が運行するコミュニティーバスも2路線あり、整合性を取れるよう、無料化の検討を申し入れる。

 伊万里署によると、市内の65歳以上の免許保有者は昨年、9414人(全体の20・3%)で、自主返納者は120人(前年比28人増)。高齢者が原因の人身事故は市内で96件発生し、全体の21・8%を占める。

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