文化庁は13日、著作権者の許諾なしに書籍の全文を電子データ化し、ネット上で特定のキーワードを含んでいるかを検索できる新サービスを認める方針を固めた。早ければ通常国会で著作権法改正案を提出して例外規定を設け、来年以降の施行を目指す。書籍の売り上げが減らないよう、閲覧できる内容をキーワードの前後数行にとどめるなどの措置も取る。

 米国ではIT企業がこうしたサービスを始めているが、国内では無断の複製を禁じた同法の規定から実現していなかった。

 大量の情報が氾濫する中、作家らの権利を損なわない範囲で、ITを活用して多くの人が書籍の内容を検索できるようにすることは、文化の発展に役立つと判断した。13日に開かれた文化審議会小委員会作業チームの会合でも、著作権者の許諾を不要とすることに異論は出なかった。

 法改正により、民間事業者は許諾なしで書籍の内容をスキャンして、電子データをサーバーにため込めるようになる。新サービスは、利用者が知りたい情報に関するキーワードを入力すれば、単語が含まれている一部を閲覧できるイメージだ。

 ただ図鑑や俳句など記述の短い著作物は、検索結果を表示することで作者らの権利が大きく損なわれる懸念があり、文化庁は取り扱いを今後詰める。

 出版各社でつくる日本書籍出版協会の担当者は「これで決着ではない。著作権者の不利益が最小限になるよう、改正法が適切に運用されるかどうかが課題だ」と話している。【共同】

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