国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門調査を巡り、開門に反対する干拓地の営農者らが国に差し止めを求めた訴訟で、長崎地裁は17日、判決を言い渡す。先行する仮処分の審理では開門差し止めを認める判断が続いていて、判決も踏襲する可能性がある。

 開門の是非について、有明海沿岸の漁業者らの訴えを認めて国に開門を命じた確定判決と、長崎地裁の開門差し止めの仮処分決定の間で司法判断のねじれが生じている。開門義務に従わない国は「間接強制」の制裁金を支払い続けている。

 営農者らは2011年11月、開門によって農業などに悪影響を及ぼし、水害の危険性も高まるとして提訴した。合わせて申し立てしていた仮処分で長崎地裁は13年11月、「農業者らが被害を受ける蓋然(がいぜん)性(確率)が高い」「開門の公共性より開門しないことの利益が優越する」などとして開門差し止め決定をした。国側の異議申し立てを同地裁は15年11月に却下し、現在は福岡高裁で審理されている。

 訴訟では、長崎地裁が16年1月に開門しない前提での和解を勧告した。和解協議で国が有明海の漁業環境改善対策に充てる100億円の基金案を提示したが、訴訟に加わる開門派の漁業者らが反対するなどして折り合わず、今年3月に協議は打ち切りになった。開門派の弁護団は「主張や証拠が同じだった仮処分の時と同様に開門を認めない判決が予想される」とみている。

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