アクティブ・ラーニングを取り入れ、食料生産について学ぶ千葉大付属小5年生の社会科の授業=6月、千葉市

◆イメージ描けず戸惑いも

 「何を学ぶか」から「どのように学ぶか」へ。次期学習指導要領では全教科でアクティブ・ラーニングが取り入れられる。学習内容を定める指導要領が授業方法に言及するのは異例だが、文部科学省は「教え方を指導要領で具体的に規定することはない」と明言する。教室の風景が変わる可能性も秘めるが、授業のイメージすら描けず、戸惑う教員も少なくない。

 6月、全教科でアクティブ・ラーニングに取り組む千葉大付属小の公開授業には、県外からも多くの教員が集まった。

 「牛肉は国産が40%だが、えさも国産を使っている牛肉は11%」「自給率95%の卵も、えさまで含めると13%」。5年生の社会科で、食料生産について学ぶ授業。教員は、国産の概念を揺るがすデータを示した。

 自給率が低下している原因や食の安全性などを事前に学んでおり、児童は「国産推進」と「外国産の輸入を増やす」の二つの立場を明確にしている。机の配置は国産派と外国産派に二分されているが、児童一人一人が安定的な食料生産の在り方を考え発言する。

 指導要領ではこの単元に「さまざまな食料生産が国民の食生活を支えていること、食料の中には外国から輸入しているものがあること」とだけ言及しているが、授業はそこにとどまらない。

 最後に教諭は、児童が大人になる10年後の姿を考えさせることで「自分事」として捉えるように仕掛けた。「自給率を上げて、外国とも協力する」など、授業の狙いである国産と外国産の二項対立を超えた意見も出た。

 教員が子どもの意見を引き出しながら進む授業は小学校ではよくあるが、主に大学受験を意識した授業に力点を置いてきた高校の教員は「何をすればいいか分からない」との不安が大きい。学校現場では「話し合いやグループワークをすればいい」という安直な声もささやかれる。

 だが、話し合いそのものが目的ではなく、自分の考えや思考のプロセスを他者に説明することで、知識を深く定着させるのが狙いの一つだ。

 大木圭副校長は「アクティブ・ラーニングは子どもに学ぶ必然性や必要性を持たせる手だて。育みたい力をあいまいにしたまま取り入れると、表面的な活動に終わってしまう」と指摘。教材選びなど、事前準備の必要性を強調している。

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