取り壊されることになった19世紀末に建てられた洋館=佐賀市赤松町

 佐賀市赤松町の佐賀城西堀端に建つ中元寺正彦さん宅の洋館が8月上旬、老朽化のため取り壊されることになった。同館は19世紀末に建てられ、地域の景観を成すシンボル的な建物の一つとして長年親しまれたが、惜しまれつつも約120年の歴史に幕を閉じる。

 「佐賀城とともに~赤松の歴史と文化」誌によると、洋館は1896(明治29)年ごろ、米国のオランダ改革派教団が建てた木造2階建て。当初は宣教師館として、地域の集会所やレクリエーションの場として活用されていた。1940(昭和15)年、運送会社に売却され、その後は同社の経営者であった中元寺家の居宅となった。

 戦後は宣教師館時代を懐かしみ年配の外国人客が訪れたり、三十数年前にマンション建設のうわさが持ち上がった時は、取り壊し反対の声が上がった。数年前には煙突からハゼの木が生えるなど、地域の話題に上がることもたびたびあった。

 4月の熊本地震で煙突が崩れるなど老朽化が進み、中元寺さんは台風シーズンを控え近所に迷惑を掛けないため解体を決めた。約40年住む妻浩子さんも「思い出もいろいろあって、名残惜しいですね」と語る。

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