厚生労働省は2日までに、生活保護受給世帯など経済的に困窮している家庭の子どもを対象に自治体が実施している学習支援事業について、主な対象としている小中学生に加え、2018年度から高校中退や中卒の子どもにも対象を広げる方針を決めた。教育機会の格差が子どもの将来の選択肢を狭めないように支援する狙い。17年度に比べ自治体への補助などに12億円を上積みし、18年度予算で47億円を要求した。

 学習支援事業は、15年に施行された生活困窮者自立支援法に基づく制度で、現在約2万人の子どもが利用。ボランティアや元教員らが公共施設や家庭訪問で勉強を無料で教えたり、家庭や学校に居場所がない子どもの相談に乗ったりする。

 現在の枠組みでは高校進学を後押しするのが主な目的のため、利用者の6割超は中学生で、小学生も約3割を占める。

 ただ、高校の授業に付いていけずに中退したり、中学を卒業しても家庭の事情で進学できなかったりする生徒もいることから、支援の対象に加えるべきだと判断した。将来の自立や進学につなげたい考えだ。

 17年度は約500自治体が学習支援に取り組んでおり、厚労省はこのうち6~7割程度が新たな対象者への支援を実施すると想定している。

 文部科学省の統計では、高校中退者は近年減少傾向だが、15年は約4万9千人だった。中卒後、進学しない子どもは就職を含め約1万3千人。

 厚労省はさらに、貧困の連鎖を防ぐには早期の支援が必要なことから、小学生がいる世帯への支援も強化する。ソーシャルワーカーらが積極的に自宅を訪れ、子どもの悩みや親の子育ての相談に応じる。日本は15年時点の「子どもの貧困率」が13・9%で、7人に1人と先進国の中では高い水準。生活困窮世帯への教育支援が重要となっている。【共同】

 ■生活困窮者自立支援制度 経済的に厳しい暮らしを送っている人の生活再建を地方自治体が支援する仕組み。2015年4月施行の生活困窮者自立支援法に基づく。支援対象は(1)失業者(2)多重債務者(3)引きこもり(4)困窮世帯の子ども-など幅広い。自立に関する相談窓口の設置と、離職して住まいを失った人に家賃相当の給付金を支給する事業を自治体に義務付けた。このほか、任意で実施できる「学習支援」「家計相談支援」「就労準備支援」などの事業がある。

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