高齢者の運転免許の返納を促す助成制度を設ける自治体が、佐賀県内で増えている。タクシー券交付や自治体運営バスの割引や無料化など、代わりになる「生活の足」の使い勝手をよくして返納を後押しする。20市町のうち4月から新設した4市町を含め、9市町が導入している。

 制度を新設したのは武雄、伊万里、江北、大町の2市2町。武雄市は1年使える48枚つづりのタクシー1割引券を交付、江北町はタクシー券6千円分を5年間、大町町はタクシー券1万円分を3年間交付する。伊万里市は市営のコミュニティーバスを無料にする。

 以前から制度があった5市町はバス乗車券の7割を助成する鳥栖市、3年間有効のタクシー券8千円分を交付する嬉野市、町営デマンドタクシー半額の吉野ケ里町、町営コミュニティーバスを半額にする白石町、6割引きにする有田町。高齢者や交通弱者向けにあった助成制度に「免許返納者」を加えた市町もある。

 同じタクシー助成でも、割引券とチケット交付や交付期間などに違いがある。割引券の武雄市は「タクシー業界にも返納者1割引きがあり、合わせて2割引きになることを考えて割引券にした」とし、期間を1年にしたことは「あくまで返納を促す制度だから」と説明する。対象年齢も60~75歳以上まで異なり、江北町と大町町は「前期高齢者(65~74歳)の年齢に合わせて65歳以上にし、隣町としてそろえた」と話す。

 複数の市町には、運転免許を持たず助成が受けられない人から疑問や不満の声が寄せられているが、制度の趣旨を説明して対応している。利用に必要な「運転経歴証明書」を取得していない人から相談があるケースもある。

 2016年に佐賀県内の65歳以上で運転免許を自主返納した人は1375人、このうち75歳以上は925人で、いずれも過去最多となった。5年前の3倍増で、返納の意識や関心は高まっている。

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