山口県政1期目折り返しの予算は、前年度に引き続き「山口カラー」が鮮明に投影された。「県民の誇りの醸成」「人の痛みに敏感な県政」など知事のこだわりが、ソフト事業を中心に細やかに反映されている点からもうかがえる。

 「人の想いに寄り添う予算」と題して重点配分した福祉・医療・教育分野の施策は、特別支援学校へのスクールバス運行、障害児らの介護家族を対象にしたレスパイト(一時休息)環境の整備などの「懸案事項」(県幹部)に踏み込んだ。

 昨年3月までの本部制では本部ごとに予算の裁量枠があったが、「福祉、医療分野は大胆な改廃が難しく、限られた枠ではできなかった」(県幹部)という。部局制への組織改編効果の一つといえる。

 財政課による全庁的な査定は今回、継続事業も含めて全面実施された。知事は分野をまたいだ連携型予算の効果を挙げたが、査定による事業のスクラップは廃止事業の1割程度にとどまる。

 今後は佐賀国体を見据えた関連施設の整備や佐賀空港の滑走路延長など大型事業が見込まれる。知事が「道半ば」という査定の精度を上げつつ、事業の「選択と集中」という課題に向き合わなければならない。(梶原幸司)

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