左から縄文式土器、瀬戸・美濃陶器、有田磁器

 朝夕はしのぎやすくなったものの、焼けつくような日中の日差しは、まだまだ和らぐ気配すら感じられない。こんな時期に、お固いやきものの話はさすがにうんざり。そこで、今回はちょっと戯(ざ)れ事にでも、お付き合いいただきたい。

 時折、地球の歴史を1年間に例えた「地球カレンダー」なるものを見かける。例の現生人類の誕生は、ようやく12月31日の午後11時37分とかというやつである。これを、日本のやきものの歴史に当てはめるとどうなるか。いわば、「やきものカレンダー」である。

 日本の「土器」の誕生は、今から約1万6000年前ごろという。続く「陶器」は7世紀後半。1年の日数に換算すると、土器の誕生から334日とちょっと。12月がはじまった頃になる。つまり、日本のやきものの歴史のほとんどは、土器しかない時代だったのである。

 ただ、これを「地球カレンダー」と比較すると、12月初旬と言えば、ちょうど両生類から爬虫(はちゅう)類が分化した頃。そう思えば、不思議と陶器の歴史も古く感じる。ちなみに、400年前に誕生した「磁器」。土器の誕生から約356日後となり、1年もわずか残り9日間。年末休み前で、大忙しという時期である。再び「地球カレンダー」。12月22日ごろは、まだ恐竜絶滅どころか、大繁栄への真っ最中。哺乳類や鳥類は出現後だが、何とか霊長類はまだ。詭弁(きべん)だが、実は人類の歴史よりも古かった有田焼。ヒシヒシと伝統は感じるものの、比べることがかなりむなしい。(有田町教育委員会学芸員・村上伸之)

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