和解案の基金受け入れの意向を聴きに来た農水省幹部に意見を述べる佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長(右)=福岡県柳川市の福岡県有明海漁連

 国営諫早湾干拓事業を巡る開門差し止め訴訟の和解協議に関連し、農水省は2日、柳川市の福岡県有明海漁連本所を訪れ、佐賀、福岡、熊本3県の漁協・漁連の組合長らに、国が開門に代わる漁業振興策として提案した基金案に対する意向を聴いた。漁協側は開門調査を求めるという従来の姿勢を崩さず、平行線をたどった。基金案実施には漁業団体の協力が欠かせず、和解協議の難航は必至だ。

 農水省の佐藤速水農村振興局長は「有明海を再生したい気持ちは皆さんと同じ、基金案はその思いをくみ取らせていただいた。前向きに話し合いを進めたい」と理解を求めた。3県代表の佐賀県有明海漁協の徳永重昭組合長は「われわれは一貫して開門調査をしてほしいという立場に変わりはない」と強調した。

 意見交換は非公開で行われた。各漁協・漁連は「国からの提案を即座に断るというわけでもない」(徳永組合長)とし、組合員の意見を聞いた上で8月中旬、3県で対応を協議する。

 終了後、佐藤局長は「厳しい声も出たが、基金のあり方についてナローパス(狭い道)であっても、引き続き話し合いを重ねていく方向で一致した」と語った。和解協議が打ち切られた場合は基金案を取り下げる可能性も示した。

 農水省は3日、開門に反対する長崎県漁連と長崎県に意見を聞く。

このエントリーをはてなブックマークに追加