松江城(島根県)に贈る献上品をつくるため登り窯に火を入れる窯元の若手=伊万里市大川内町

 伊万里市大川内町の大川内山で8月26日、江戸時代に鍋島藩の御用窯で将軍家や諸大名への献上品が焼かれていた歴史を再現する「献上登り窯焚(た)き」があった。今年は一昨年に国宝指定された松江城がある島根県松江市に贈呈する。

 大川内山の窯元でつくる伊万里鍋島焼協同組合(畑石眞嗣理事長)が、伝統技術の継承や「鍋島藩窯秋まつり」(11月1~5日)のPRを目的に1989年から毎年、「鍋島献上の儀」として城のある自治体のほか、首相や外国の大使館にも贈ってきた。

 献上品は、松江市の市花のツバキとボタン、市木の松と桜、日本海の波を文様としてあしらった瓶子(へいし)(酒器)を制作。登り窯では献上品をはじめ、5窯元の約2千点の作品も作られる。神事が行われた後、白装束姿をした窯元の若手2人が古式にのっとって火だねを作り、窯に火を入れた。畑石理事長は「松江城の国宝指定をお祝いすると同時に、観光などでつながるきっかけになれば」と話した。

 窯元が交代で見守り、窯出しは3日に行われた。贈呈は10月に松江城で行われる。

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