3日の核実験強行や相次ぐミサイル発射で、核兵器開発を誇示する北朝鮮。「被害者は自分たちで最後にしてほしい」と核兵器廃絶を唱え続けてきた被爆者らからは、憤りの声が次々と上がった。核兵器の恐怖を身をもって知るだけに、高まる緊張への危惧や無力感を抱く。それでも米国や日本に対し「威嚇や力の誇示だけで解決しないことは、歴史が証明している。対話を模索してほしい」と、冷静さを失わないよう求めた。

 「72年間、核廃絶を訴えてきた。恐ろしい結果をもたらす行為で二度としてほしくない」。広島市東区の被爆者、田中稔子さん(78)は憤りを隠さない。「断じて許されない」と北朝鮮を厳しく非難した。

 「思いは届かないのか」。長崎原爆被災者協議会の森内実副会長(80)は、7月の国連での核兵器禁止条約採択で、世界的に高まる核廃絶の機運を踏みにじるような北朝鮮の動きに、打ちひしがれた様子。8歳で被爆した森内さんは、爆心地付近で転がっていた無数の遺体を今も忘れられない。「核の恐ろしさは世界中で風化している。惨禍の記憶を伝え続けなければならない」と、自らを奮い立たせた。

 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の藤森俊希事務局次長(73)が気掛かりなのは、日米韓の強硬姿勢が北朝鮮の自制に結び付かず「威嚇し合い、状況がエスカレート」している現状。「核戦争を起こさないため、さまざまな対話のチャンネルで外交努力をしてほしい」

 核廃絶を求める国際的な署名運動を続ける長崎の被爆3世、林田光弘さん(25)も「核兵器の非人道性が共通認識となってきた今、国際的な孤立を免れない」と非難した。その上で「核兵器使用をちらつかせるトランプ米大統領に対し、ミサイル発射や核実験が実施された。核抑止力は機能していないのは明らかだ。互いに力を誇示し続けるとどうなるかは米ソの冷戦が示している。緊張をどう緩和していくかを議論すべきだ」と訴えた。【共同】

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