死を考える必要性を語る県医療センター好生館の小杉寿文緩和ケア科部長

 がんで大切な家族を亡くした人たちの悲しみを癒やす「りんどうの会」が5周年を迎えた。2日に、佐賀市の市民活動プラザで記念講演会を開き、会員ら60人が参加。死を受け入れること、遺族ケアの重要さについて考えた。

 県医療センター好生館緩和ケア科の小杉寿文部長が「暮らしの中で生と死を考える」をテーマに講演。1951年には死亡場所の8割が自宅だったが、現在は8割が病院で亡くなっていることに触れ、「昔は家族の最期に立ち会っていた。今は、死が身近にない」と指摘。「死は備えるべきもの。日頃から考えてほしい」と話した。

 その後、会員らが自身の体験を交えて、悲しみを癒やし、心のケアを促す「グリーフケア(悲嘆回復)」について発表。夫のがんが発覚してから亡くなるまで20日だった女性は「夫の所有物の処分がつらく、落ち込みやすく、やる気も食欲もなかった」。幼い娘を残し夫に先立たれた女性は「すぐに働き、気は紛れたが、十分な子育てができず後悔している」と語り、残った遺族の心に寄り添う活動に救われた思いを語った。

 会は2012年発足。自身もがんで妻を亡くした福島龍一さんが代表を務め、市民活動プラザなどで定期的にサロンを開いている。

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