次期学習指導要領改定案では、近年の学術研究を踏まえ、社会の授業や教科書で取り上げていた歴史用語の変更が相次いだ。江戸時代は「鎖国」ではなく、聖徳太子は「厩戸王(うまやどのおう)」に-。大人と子どもが歴史談議をする際に会話がかみ合わなくなるケースも出るかもしれない。

 現行指導要領では、小中学校とも「聖徳太子」を授業で扱うと例示したが、改定案では人物に親しむ小学校で「聖徳太子(厩戸王)」、史実を学ぶ中学では「厩戸王(聖徳太子)」を扱うようにと記述が変わった。

 文部科学省によると、「聖徳太子」は没後に使われるようになった呼称で、歴史学では一般的に「厩戸王」と呼ぶため。ただ、子どもたちが伝記で「聖徳太子」の名前に触れる機会が多く、並列して扱うという。

 江戸幕府の対外政策では「鎖国」の表記が消えた。江戸時代後期には鎖国という言葉が使われることもあったが、江戸時代は長崎でオランダや中国と交易していたほか、松前(北海道)、薩摩(鹿児島)などでも貿易が行われ、日本が完全に閉ざされていたわけではなかった。改定案では、そうした状況についても正確に学ぶとしている。

 鎌倉時代の「元寇(げんこう)」は「モンゴルの襲来(元寇)」と呼び替え、世界史との関連が分かるように修正。江戸時代の浮世絵師「安藤広重」は、雅号である「歌川広重」に統一した。

 今回変更された用語は、現行教科書でも一部が先取りして使われている。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加