無投票で現職が6選を果たした多久市長選。2年前の市議選(定数16)に続く無投票で、住民の代表となる首長と議員は、いずれも市民が直接1票を投じることなく決まった。「民意」を十分にくみ取った市政運営ができるのか、市民からは懸念する声も上がった。

 現職の出陣式で、北多久町のある自治会長を務める男性は複雑な表情で、壇上で演説する候補者を見つめた。自身は現職候補の支持者。しかし、人口減少や経済衰退など目に見えて活力が失われていく市の現状にいら立ちを隠せない。「市議選が無投票に終わったからこそ、市長選は選挙戦となって、現市政に対する住民の批判の度合いを知りたかった」と残念がる。

 多久市は小城市と自治体病院同士の統合案が浮上している。多久町の市立病院近くに住む自営業の60代男性は、市長と市議の両方とも選挙戦がないことに憤りを隠さない。「公立病院の存廃はこの地域の人々にとって命に関わる問題。論戦もなく無投票で終わるなんて…」と、住民の意思が反映されない公立病院改編の動きに警戒感を示した。

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