在宅緩和ケア医療の体験談を話す山岡憲夫医師=佐賀市の佐賀大学医学部附属病院臨床講堂

 佐賀大学医学部附属病院の県民公開講座「がんとつきあおう、家で過ごそう」が7月30日、佐賀市鍋島の同附属病院臨床講堂で開かれた。医療、施設関係者や一般市民など約160人が在宅緩和ケア医療の体験談などに熱心に耳を傾けた。

 大分市で2009年から在宅緩和ケア専門の「やまおか在宅クリニック」を開き、年間120人以上を在宅でみとっている山岡憲夫院長が「幸せな最期とは」と題して講演した。

 山岡院長は自宅で最期を迎えたいと願う人が患者の半数以上を占めるというアンケート結果を紹介。治療困難と言われたら、「患者の希望やQOL(生活の質)を見極め、病院、緩和ケア病棟(ホスピス)、自宅などのうち、最も適切な場所を選択することが大切」と指摘した。

 在宅医療は訪問看護師やケアマネジャー、薬剤師などと連携し、チームで24時間365日間の対応に当たっているといい、「急変時にすぐ入院できる病院を決めておくことで家族にも安心感を与えている」と説明。「家族と共に日常の中で過ごすことで、感謝の気持ちで安らかな最期が迎えられる」と力説した。

 父親と夫をがんで亡くしたという嬉野市の50代女性は「在宅緩和ケアは素晴らしく、今だったら選択したい。ただ、日頃からその内容について勉強しておく必要性も感じた」と話していた。

このエントリーをはてなブックマークに追加