日本産科婦人科学会(日産婦)は14日、体外受精した受精卵に染色体の異常がないかを調べて子宮に戻す「着床前スクリーニング」と呼ばれる検査について、名古屋市立大など6施設で臨床研究を実施すると発表した。日産婦は、既に検査の対象となる女性の登録を開始しており、流産の予防に有効かどうかを確かめる。東京都内で開いた倫理委員会で承認した。

 検査では染色体の異常が原因のダウン症なども判明するため、生まれる命の選別につながりかねないと指摘されている。

 倫理委の苛原稔委員長(徳島大教授)は「諸外国の報告があり、有用性があるのか考えないといけない時代になった」と説明した。早ければ3~4月にも実際の検査が行われる見通し。

 6施設は名古屋市立大のほか東京女子医大、藤田保健衛生大(愛知県)、IVF大阪クリニック(大阪府)、セント・ルカ産婦人科(大分市)。1施設は施設名の公表に同意していないという。

 日産婦は着床前スクリーニングを指針で禁止していたが、不妊に悩むカップルの増加などを背景に2014年に容認していた。35~42歳で3回以上の体外受精で妊娠しなかった女性や、流産を2回以上経験した女性など計180人を対象にまず先行研究として実施。体外受精で作った受精卵の初期段階で、一部の細胞を取り出し染色体の数を調べる。先行研究の結果を見て、その後の本研究の症例数を決める。

 この分野で実績のある慶応大も臨床研究に参加する予定だったが、より厳格な基準が必要として、別の枠組みで実施することを検討している。【共同】

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