九州新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)に関してJR九州で導入見送り案が浮上し、佐賀県や沿線自治体の首長からは困惑の声が聞かれた。FGT導入を前提に整備が進められており、断念となれば事業は根本的な軌道修正を迫られることになる。

 「そうした意思決定をした事実はないとJRに確認している」。佐賀県の副島良彦副知事は13日、「JR九州がFGT導入断念」との一部報道に関し記者団に答えた。

 FGTは昨年12月から今年3月まで営業路線で検証走行試験を行っており、5月に開発主体の鉄道・運輸機構から県へ「技術的に大きな課題は上がっていない」と報告があったという。

 武雄温泉駅で在来線と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で2022年度に暫定開業することなどを佐賀、長崎県や国などと、JR九州を含む6者で合意しており、副島副知事は「6者合意のまま進んでいると認識している」と強調した。

 FGT断念となれば全線フル規格化の議論が持ち上がる可能性は高い。フル規格化となれば地元負担が800億円以上にもなるとされ、副島副知事は「県として負担できるものではない」と改めて否定した。

 新幹線開業も見据えて佐賀駅周辺整備を進める佐賀市の秀島敏行市長は「新幹線絡みで佐賀駅を整備すると説明してきた。(フル規格化が持ち上がって)今とは違うルートを通るという話になれば、混乱する。内心、穏やかでない部分がある」と戸惑いを隠さない。

 武雄市の小松政市長は「13日から同様の報道があり、14日も市としてJR九州などに事実関係の把握を進めたが、現段階で断念の確認はできていない」とした上で「初夏といわれている技術評価委員会の検証結果に基づく判断を待ちたい」と答えた。

このエントリーをはてなブックマークに追加