参院議院運営委に向かう与党議員(後ろ姿)に抗議する野党議員=14日午後

■最終局面与野党の攻防緊迫

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案を巡り、国会では14日夜、参院を舞台に与野党攻防が緊迫の度合いを増した。本会議では金田勝年法相の問責決議案が否決され、法務委員会採決を省略し「中間報告」を求めることを議題とする動議を可決。採決強行に向けた動きに「国会軽視が甚だしい」と憤る野党議員に、与党側も「重要な法案だ」と反論した。

 法相問責決議案を採決する本会議開会は大幅にずれ込んだ。「本決議案は否決されました」。午後8時すぎ、伊達忠一議長が問責決議案の否決を宣言すると、閣僚席の金田法相は硬い表情のまま何度も深く頭を下げた。その後、国会内で記者団の取材に応じ「国民の理解を得るため、あらゆる努力をしてきたつもり。これからもしていく」と疲れた様子で語った。

 本会議は続いて中間報告に関する動議を受け、記名投票による採決へ。「質疑が足りない」「恥を知れ」。野党席から次々と激しいやじが飛ぶが、動議を提出した与党側は一様に淡々とした表情で投票のために壇上に向かった。

 野党議員は徹底抗戦の構えで、本会議に先立ち中間報告の扱いなどを話し合う議院運営委員会を開かせないように、委員会室前には数十人の議員が集結。「やめろ、やめろ」「反対」と一斉に叫びながら、入室しようとする山本順三委員長をもみくちゃにした。

 「許せない。審議を一方的に打ち切ると将来に禍根を残すことになるだろう」。本会議を前に語気を強めたのは、法相経験者でもある民進党の小川敏夫氏。中間報告の動きに反発する野党の代表者とともに、適切な審議や議院運営を行うよう伊達議長に直接申し入れたという。【共同】

■国会前、市民5000人抗議

 「テロ対策とうそをつくな」。参院本会議で「共謀罪」法案の採決強行が現実味を帯びた14日夜の国会正門前の抗議集会。主催者発表で約5千人の市民が歩道を埋め尽くした。「おかしいだろ、これ」などと書かれた抗議のプラカードやのぼりが至る所に掲げられ、マイクを握った若者のかけ声に合わせて、次々とシュプレヒコール。「独裁的なやり方だ」と批判の声を強めた。

 抗議する市民は議員会館前にも。埼玉県草加市の無職石岡洋子さん(69)は「国民の生活から自由がなくなってしまう」と危ぶむ。東京都千代田区の主婦真田春江さん(64)は「数の力だけで法案を通すのは民主主義とは言えないはずだ。与党の議員は襟を正すべきだ」と注文を付けた。【共同】

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