将棋の陣形選びには、指し手の個性が表れる。天守閣を思わせる優美な「矢倉囲い」や、冬ごもりの熊のように玉をしっかり囲む「穴熊囲い」、自陣に低く構える「美濃囲い」など、どの陣形を選ぶかが戦略に大きく影響する◆いずれの陣形も長い歴史の中で培われてきたが、人工知能(AI)がプロ棋士を破る時代でもある。AI「ボナンザ」が好んで使ったことから「ボナンザ囲い」と呼ばれる新たな陣形も登場してきた。さて、こちらの布陣はどんな狙いだろうか◆参院選の大勝を受けて、安倍晋三首相が党役員人事・内閣改造に踏み切った。ここまで支えてくれた谷垣禎一幹事長のけがは想定外だったろうが、後釜に二階俊博氏を据えた。しっかりと抑えが効く重量級の起用は、さらなる長期政権への布石か◆地元としては今村雅弘氏の初入閣が明るいニュース。サプライズの稲田朋美氏の防衛相には、後継者を育てる意向がにじむ。一方で盟友・菅義偉官房長官や麻生太郎副総理ら骨格部分には手を付けておらず、安定と継続を重視したようだ◆唯一の気がかりは、留任を要請したにもかかわらず、閣内へと飛び出した石破茂氏のこれからの動きか。将棋の格言に「浮き駒に手あり」とある。フリーになった駒が急所になるという意味だが、この浮き駒、攻守どちらに転ずるか。(史)

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