同じデザインの化粧まわしを付けての土俵入り。右から諸岡颯助くん、富田鋼くん、前田真くん

 ■地域の誇りを背に70年  

 唐津市体育の森公園相撲場で3日に開かれた松浦地区青年相撲大会。選手たちは地域の誇りを懸けて激突。力の入った一番や土俵際の大逆転に桟敷席が沸いた。勝負の後には、70回の記念大会を祝福する相撲甚句や赤ちゃんの土俵入りが会場を華やかに盛り上げた。(撮影・鶴澤弘樹)

 【踏ん張り】決勝リーグ・浜玉-長松 土俵際ぎりぎりで競り合う浜玉の浦田一玄(上)と長松の増山翼

 【がんばれ~】お手製の横断幕やうちわで肥前の浜口瑞生を後押し

 【観戦のお供に】来場者には大鍋で作られた特製ちゃんこが振る舞われた

 【力比べ】決勝リーグ・鎮西-佐志A 鎮西の松永渓嵩(左)と佐志Aの寺田拓巳ががっしりお互いのまわしをつかみ、力と力の比べ合い

 初孫3人そろい踏み

 ○…健やかな成長を願う恒例の赤ちゃん土俵入りには7人が登場し、りりしく、かわいい化粧まわし姿に、桟敷席も笑顔に包まれた。

 浜玉町平原の農業富田秀俊さん(66)は昨年、町内に住む1男2女全員に第1子が誕生し、それもみんな男の子。富田鋼君は「鋼」、諸岡颯助君は「颯」、前田真君は「真」の字をあしらった化粧まわしで土俵に立った。

 孫3人のそろい踏みに富田さんは「みんな平等にしなけりゃいけないので、あれこれ大変」と語りながらも感慨深げ。自身、松浦地区青年相撲に6回出場したOBで「地域を愛し、愛され、この地から羽ばたいていってほしい」と話した。(吉木正彦)

 歴史を相撲甚句に 浜玉町連盟宮添理事長

 ○…全取り組み終了後には、松浦青年相撲の70回開催を祝う相撲甚句が披露された。浜玉町相撲連盟理事長の宮添聡さん(54)が、数々の名勝負に彩られた歴史や運営に関わる選手・関係者への感謝とともに記念大会に花を添えた。

 甚句は「めでためでたの若松様ヨ~」の出だしで始まり、「戦後間もない復興期 力自慢の若者が 町の名誉と威信懸け 集うは唐津神社前」と第1回大会の情景を浮かび上がらせ、「歴史紡いだ大会が 未来永劫(えいごう)続くよう」と願いを込めた。

 宮添さんは「松浦青年相撲が盛り上がると地域が元気になる。今年の11月場所からは鳴戸部屋が唐津市浜玉町に宿舎を構えることで相撲熱が高まってほしい」と相撲文化の継承を願った。

 【大会回顧】鎮西、浜玉の奮起期待 肥前が10連覇

 第70回記念松浦地区青年相撲大会(唐津市・伊万里市相撲連盟、佐賀新聞社主催)は、肥前が10連覇で28度目の優勝を果たし、幕を閉じた。連覇と優勝回数で史上最多の記録を打ち立てた。

 肥前は浜玉に肉薄された前回の苦い経験を教訓に、「10連覇」の重圧を緊張感に変え、川口兄弟を中心に安定した力を見せた。個人戦でも弟の弾選手が3大会ぶりの「松浦横綱」の栄冠を手にした。

 準優勝は4大会ぶりの鎮西だった。決勝リーグで松永兄弟を核に浜玉との一戦で勝利。肥前と浜玉の2強に食い込む思いで稽古を積み、花開いた。3位は浜玉で、個人戦ベスト4に水鳥川兄弟がともに入り、存在感を発揮。王者の壁になる存在へと、鎮西とともにもう一段駆け上がり、大会を盛り上げてほしい。

 長松が5大会ぶりに4位で、柔道経験者がダイナミックな技で会場を沸かせた。久々に出場した西唐津は予選落ちも新人菊谷がチーム唯一の白星。来年への励みになったと思う。

 団体は過去最低に並ぶ9チームの登録で、実際は8チームが参加。例年以上に編成に苦しんだ。大会をさかのぼれば、選手の年齢制限は「25歳」で始まり、27回大会から「28歳」、31回大会から「30歳」、60回大会から31歳でも出場可能になった。加齢に伴う体力低下もあるが、年齢延長など選手確保策を具体的に検討する時期だろう。

 力の入る対戦の一方、実力差のある取り組みも多かった。敗れた者は「なにくそ」の思いで、再び土俵に立つ気力を持ち、この地に残る相撲文化を支える一翼を担ってほしい。

 ※大会の模様は、唐津市のケーブルテレビ「ぴ~ぷる放送」で10月8日から放送予定です。放送日程など詳しくは同局、電話0955(73)5460にお尋ねください。

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